【要介護認定】「要支援」についてツボを押さえてざっくり解説!
介護保険制度をご存じですか。
介護保険制度とは、介護が必要になった場合であっても自立した生活ができるように、または家族の負担を軽減できるように社会的に支援していく制度です。要は「身体の悪い人の生活を支援するための制度」です。
介護保険を利用するためには、要介護認定で「要支援」または「要介護」と認定される必要があります。介護保険を利用すると、身体的なサポートや費用の支援など、このほかにもいろいろなサービスが受けられるようになります。非常に有用なサポートが受けられる一方、介護保険はかなり複雑であることが知られています。介護保険を使いこなすためには、ある程度の知識が必要になるでしょう。
とはいえ、介護保険制度に限らず、公的な制度は複雑でわかりにくいものが多いです。制度を調べるときは、まず全体的にどういった感じになっているのかを見て、それから徐々に理解を深めていくとよいでしょう。
ここからが本題
この記事では「要支援」についての知識をわかりやすくざっくり解説します。要支援の全体的なイメージをつかみたい人はもちろん、初めて介護保険制度を調べる人や介護保険サービスのことがよくわからない、といった人にもおススメの記事です。
要支援とは
先でも述べた通り、介護保険を利用するためには要介護認定に申請を行い「要支援」または「要介護」と認定される必要があります。
介護保険については、こちらの記事をご覧ください。
要支援は「将来において介護を必要としない自立した生活が送れること」を目的とした介護予防のためのサービスです。利用者が、介護状態になるのを防ぐことが要支援の役割といってもいいでしょう。
ただし、これは介護保険制度としての、いわゆるうたい文句です。利用者としては「身体に少しだけ問題があって日常生活で困っている人をサポートしますよ。将来、介護状態にならないようにがんばりましょう」といった感じのサービスだと理解しておけばよいと思います。
身体状態が少し悪くなってきている人の生活をサポートして、将来的に介護状態にならないようにするサービスなんだね
介護リスクを減らせる可能性があるから、認定を受ける人にとっても国にとってもメリットがある制度なんですよ
要支援のサービス内容
要支援は次のように分類されています。
- 種類
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「要支援」内でカテゴリー分けはされていません。
- 段階
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「要支援1」と「要支援2」の2段階あります。
「要支援1」が一番軽いサービスで「要支援2」はさらに手厚いサービスを受けることができます。
要支援1もしくは要支援2の認定を受けると、さまざまなサービスを受けることができます。
サービスの内容をざっくり分けると次のようになります。
- 介護予防を目的としたサービス(訪問・施設・福祉用具レンタルなど)が受けられる
- サービスにかかる月々の費用が、要支援1で50,320円、要支援2で105,310円までを限度に給付※される
- 福祉用具の購入費用が、年間10万円まで給付※される
- 自宅改修にかかる費用が、20万円まで給付※される
※ 1~3割は自己負担
「要支援1」「要支援2」については、こちらの記事をご覧ください。
要支援のメリット
介護保険サービスを利用する最大のメリットは、介護サービスと給付金です。
要支援の認定を受けることで、訪問看護や訪問介護、施設、福祉用具のレンタルに住宅改修など、さまざまな介護サービスの利用が可能になります。また、介護サービスにかかった費用に対して給付金が支払われるようになります。給付金には限度額がありますが、費用を確実に抑えることができるので、サービスの利用もしやすくなります。要支援の給付金の額はそれほど大きくはありませんが、それでも十分な恩恵があると言えるでしょう。
※ 要介護認定の認定を受けていなくても、一定の条件を満たすことで介護サービスは使えますが、費用は全額負担になるので注意しましょう
要支援の認定後、介護サービスを利用するためのケアマネジャー(ケアマネージャーともいう)がつきます。ケアマネジャー(以下「ケアマネ」)というのは、介護サービスに関する最強の相談役のようなもので、介護サービスの計画や調整などを行ってくれます。介護サービスを利用するようになると実感するのですが、ケアマネは必要不可欠と言ってよいほど重要な役割を担っています。介護サービスを利用するためには、ケアマネのサポートは必須であると思っておいて間違いないでしょう。
- さまざまな介護サービスが利用できるようになる
- 給付金のおかげで、介護サービスの費用が抑えられる
- ケアマネージャーという最強の相談役がついてくれる
- 給付金のおかげで、介護サービスを利用するハードルが下がる
- 生活のサポートをしてくれるサービスの存在は、心にゆとりと安心を与えてくれる
要支援を受けるメリットは要介護ほど大きくはありませんが、確実にその恩恵は得られます。利用者の状態を考えると、要支援は必ずしも生活に必要不可欠なサービスであるとは限りません。しかし、要支援を受けることで様々なサポートを得られることを考えれば、申請しないのはもったいない話です。
要介護と比べると恩恵は大きくありませんが、さまざまなサポートが受けられることのメリットは大きいと思います
申請しようかどうか悩んでいる人は、市区町村の窓口でとりあえず相談してみよう
ちなみに、デメリットはありません。あえてマイナス面を挙げるなら、要支援を受けるための手続きが必要なことや、申請しても介護認定が受けられるとは限らない(非該当と認定された場合)ことくらいです。安心して申請しましょう。
要支援の認定について
認定される人の条件
すでに何度も既出しているように、介護保険は65歳以上(※特定疾病による例外はあります)にならないと利用することができません。また、要介護認定を受ける必要があるため、申請が必要になります。
要介護認定は、一定の条件をクリアする必要があります。ここでは、要支援に認定される人の条件を簡単にまとめたものを紹介したいと思います。
ざっくりとした条件はコレ
- 65歳以上(※特定疾病による例外はあります)であること
- 身体的な問題を抱えていて、ある一定の状況で人の手助けや道具などの補助が必要である
- リハビリや運動をすることで状態が改善する可能性が高い
条件として紹介していますが、年齢以外については、要支援者の身体状態の特徴と考えてもらえればよいかと思います。
身体の状態
「基本的な日常生活は自分でできるが、状況によっては介助(見守り・手助け)が必要になる」といった状態の人が、要支援に認定されます。
具体例としては
- 食事は自分でできる
- 排泄は自分でできる
- 立ち上がるときに介助を必要とすることがある
- 歩行時に介助を必要とすることがある
- 部屋の掃除や身の回りの世話の一部に介助を必要とすることがある
ここにある具体例はあくまで一例です。人によって身体の状態や過ごす環境も違います。あくまでも、参考程度としてお考え下さい。
イメージとしては、介護の一歩手前の状態って感じだね
「要支援」と「要介護」の違い
要介護認定は、大きく分けて3つの区分があります。
- 要介護
-
その名の通り介護を受けることができます
- 要支援
-
介護予防のためのサービスで、介助(見守り・手助け)を受けることができます
- 非該当
-
介護・介助を必要としない状態
要支援よりも要介護のほうが、手厚いサービスが受けられます。
もう少し詳しく説明すると、次のような感じになります。
「要支援」は、日常生活において手助けが必要になる状況があれば、その時々で簡単なサポートを受けることができるというイメージです。それに対して「要介護」は、日常生活そのものを支えてくれるような感じで、介護レベルでの手厚いサポートを受けることができます。
要支援も要介護も日常生活を支援するのは一緒ですね
要支援はちょっとお手伝い、要介護はしっかりサポート、といった感じでしょうか
まとめ
要支援について大体のイメージはつかめましたか。
介護保険の申請で悩んでいる人は、住んでいる地域の市区町村の窓口に行きましょう。窓口でなら詳しく教えてもらえますので、時間に余裕がある人は該当窓口で相談することをおすすめします。市区町村の窓口で対応が難しい場合は、地域包括支援センターで相談しましょう。
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